Special Interview

高木先生 スペシャルインタビュー

増加し続けてい「アトピー
「喘息の患者数、
罹患率の背景に「塩素
関係していると考えています

一般内科・胃腸科・アレルギー科・
呼吸器内科・循環器内科・皮膚科

むこうがおかクリニック 
院長 高木 秀学 先生

塩素という成分の化学反応の強さから
発がん性物質の発生も懸念されます

− 一般内科、胃腸科、アレルギー科、呼吸器内科、循環器内科、皮膚科と幅広い診療科目を専門とした「むこうがおかクリニック」の院長として、患者さんから厚い信頼を寄せられている高木秀学医師。これまでの診察・治療の経験からも「年々、アトピーや喘息などの患者さんが増えている印象がある」と言います。

「医師免許を取得したのが1987年なのですが、患者数・罹患数が増えていると感じています。様々な原因を考えた結果、現在では水道水に含まれている塩素が関係しているのではないか?という仮説にたどり着きました。塩素と疾患の関係を示す明確なデータはありませんが、患者さんに脱塩素水を使用するようおすすめして、症状が改善するケースもあります。アトピーは皮膚、喘息は呼吸器の疾患であることからも、塩素への接触や気化した塩素を吸引することが症状の原因となっているのではないか、と考えています」

− 塩素の皮膚への接触や気化、ということは入浴や洗顔、洗濯に使う水に含まれる塩素が関係している、ということを意味しているのでしょうか。

「そのように考えています。水道水に塩素が含まれるようになったのは、歴史的にみてもここ100年ぐらいのことです。コレラやチフスなどの病原菌が水道水を通じて蔓延し、それを防ぐために病原菌の殺菌のために塩素が使われ始めたのですね。当時は塩素による殺菌が行われたことで救われた命がたくさんあったことでしょう。でも、これだけ時代が進歩しているのですから、塩素ではない別の方法での殺菌ができないものか、と思います」

− 高木医師は「体に及ぼすと考えられる影響はアトピーや喘息にとどまらない」と続けます。

「塩素は自然界には存在しない化学物質であり、化学反応がとても強い。様々な物質と反応することで、発がん性物質であるトリハロメタンを形成することでも知られています。私がもっとも懸念しているのは、この発がん性なのです」
現代の日本人は昔と比べるとライフスタイルの変化により「塩素に触れる機会」が格段に増えていることも懸念材料のひとつです

現代の日本人は昔と比べると
ライフスタイルの変化により
「塩素に触れる機会」が格段に
増えていることも懸念材料の
ひとつです

− 塩素による水道水の殺菌が行われ始めたのが約100年前。以後、年々、アトピーや喘息患者が増えてきているのは、「水を使う機会の増加」が挙げられると高木医師は指摘します。

「昭和40年代ぐらいまでの日本人は、入浴は週に1~2回程度、多くても1日おきというのが当たり前でした。この時代は自宅に風呂のない家庭もまだありましたし、家庭用のお風呂もやかんでお湯を沸かすように、浴槽に水を入れてから沸かさなくてはならず、沸かしすぎると風呂が沸騰するので目を離せなかったのですよね。シャワーも普及していませんでしたし。ところが、現代では多い人では朝シャワー、夜お風呂と1日に2回、体を洗う人も珍しくありません。つまり、塩素に接触する機会は各段に増えているのです」

− 加えて、現代の家庭のお風呂は給湯器から直接、お湯を湯船にためるタイプの設備が一般的になっています。これにより「脱塩素しないままの入浴が増えている」と高木医師は指摘します。

「水道水の中の塩素は水を沸かすことで、ある程度は脱塩素することができます。しかし、給湯器のお湯はあっという間に出てくるので塩素が気化する間もないのですね。つまり、現代人は入浴の頻度が増えた上に、昔と比べると塩素濃度の高いお風呂に入っているのではないか、と考えられます」お父さん、おじいちゃんが「一番風呂」という家父長制的な風習が子供の健康を守っていたのです

− じつは、脱塩素するには水を沸かすほかにも「水を人の皮膚に触れさせる」という方法があります。人の皮膚の細胞に触れた塩素が化学変化を起こし、不活化するため結果的に脱塩素されるのです。

「昔はお風呂が特別なものでしたから、一番風呂はお父さんやおじいちゃんと決まっていましたよね。つまり、率先して浴槽のお湯を脱塩素してくれていたわけです。こうした家父長制的な考え方は現代では眉をひそめられますが、結果的には塩素の影響から子供の健康を守っていたのですね。子供は成人と比べると体が未発達ですので、化学物質の影響も受けやすい。ですから、お父さんやおじいちゃんが脱塩素してくれたお風呂に入れるのは子供にとって大きなメリットだったのです」

− ライフスタイルの変化により、現代では子供が一番風呂にはいる家庭も増えています。また、幼稚園などでの手洗い指導が徹底されるなど、お風呂以外でも子供が塩素に触れる機会はたくさんあります。

「感染症の予防を考えると手洗いはとても重要です。しかし、塩素の影響に焦点を当てれば、手洗いの回数が多いことや、入浴時にシャワーを使うことは塩素の影響を増強してしまう。特にシャワーは浴室という密閉された空間で細かい水滴が勢いよく出てくるので、気化した塩素が充満しやすいのです」

通院・治療をしても改善しない、
ぶり返す。
そんな症状がある方はぜひ、
水を見直してください

− アトピーや手湿疹、皮膚の荒れ、赤み、痒みのほか、喘息など「病院に行っても症状がよくならない」という方も少なくありません。また、一時的に症状が改善しても、すぐにぶり返すなどして、慢性的につらい思いをされている方も珍しくありません。

「当院でもぶり返して何度も来院される患者さんには、ご家庭のお水を塩素が入っていない水をおススメすることがあります。もちろん、塩素だけが原因とは言いきれないのですが、考えられる限りの治療をしつくしてもよくならないのは、生活環境の何かが理由になっているからです」

− 家では咳が止まらないのに、外出すると症状が治まるという方の咳の原因が「エアコンのカビだった」というケースを聞いたことがあります。

「そのようなケースは増えていますね。生活が便利になって快適になる一方で、症状の原因も多岐にわたるようになりました。私自身は特に持病もなく元気なのですが、自宅脱塩素して6年になります。かつては冬場、耳の後ろの皮膚が乾燥してカピカピになったのですが、今はそれがなくなりました。設置前よりも年齢を重ねているわけですから、皮膚の乾燥に塩素が関係していた、と考えられますよね」

− 健康のためには、よい水をということを高木医師のほかにも提唱している専門家が増えているのだそう。

「水は人が生きていく上で欠かせないものです。診察の経験からも、やはり今の日本の水道水には疑問を抱かずにはいられません。ですから、まずは一番不安な塩素をなんとかしていくことが大事だと思っています」
一般内科・胃腸科・アレルギー科・
呼吸器内科・循環器内科・皮膚科

むこうがおかクリニック
院長 高木 秀学 先生

国立大学法人 徳島大学医学部を卒業。数々の師事研究を経て平成6年、大蔵省大臣官房厚生管理官付に。数々の病院で院長、副院長を歴任したのち、宮内庁侍従職侍医を拝命。同庁嘱託に。2014年5月むこうがおかクリニック開業。呼吸器内科やアレルギー科を専門に、皮膚科(アトピー皮膚炎)、婦人科(更年期障害・妊産婦の薬物治療)など幅広い診療を行う。
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